おちくんのきままなプライベートブログ

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知的教育システムはなぜ普及しないか?

先週末に,IES(Intelligent Educational System)若手の会に参加した.

会の席上で,教育システム(CAI)がなぜ普及しないのかということが議論されたが,「本との違いはなんだろうか?」と,ある先生の意見が印象に残った.本と教育システムの違い...ディスプレイと紙という媒体が違うというのは大きな点だが,それ以外の要因もあるのではないだろうか.

なぜ,教育現場の先生は,本を使うのだろうか?理論的には,CAIってのは本というメディアの欠点を補完するために出てきたシステムのはず.でも,使いやすさは本にはかなわない.

とはいえ,WWWは本に近い感覚なので,WWWベースのハイパーテキスト教材は普及している.ただ,我々の研究対象となっている教育システムは,なぜか普及しない.というより,なかなか受け入れてもらえないのが現状だろう.

生まれたときから本を利用した勉強をしたから慣れてしまったからだろうか?それとも,何か研究のアプローチが間違っているのだろうか?個人的には両方あると思う.

後者については,なにが問題か?1つに,教育システムの教育意図と利用者の教育意図にずれがあるという問題があるだろう.このずれを解消するためのアプローチとしては次の2つがあるだろう.

1. 教育システムの教育意図を利用者に理解してもらうような枠組みを持つ
2. 教育システムが利用者の教育意図に合うように柔軟性を持つ

前者は,オントロジーの研究に入ってくるかもしれないが,個人的には後者を目指したい....